個々が成長、表彰台独占=スケートボード・ストリート、高まるメダルの期待―アーバンスポーツ五輪予選
【ブダペスト時事】23日までブダペストで行われたアーバンスポーツのパリ五輪予選シリーズ最終戦で、スケートボードの代表選手争いが決着した。ストリートは男女とも日本人が表彰台を独占する快挙で締めくくり、日本代表の早川大輔コーチは「最高のコンテストができた。全員がメダルを狙えば結果はついてくる」と本番を見据えて自信を示す。
ドラマが起きたのは男子。日本勢5番手と後がない状況で臨んだ東京五輪覇者の堀米雄斗(三井住友DSアセットマネジメント)が、これまでの不調を土壇場で覆す復活劇を遂げて優勝。伸び悩んだランの構成を変えたことが奏功し、一気に連覇への道筋が開けた。「苦しかったが、希望が見えた。結果だけを追い求めたい」。温存している技もあるという。
初の五輪となる14歳の小野寺吟雲は異次元のトリック(技)を持つ。コースへの対応力がつき、身長が伸びて技の幅も広がった。早川コーチは「どんどん強くなる。成長の仕方が全然違う」と目を見張る。東京五輪の雪辱に燃える白井空良(ムラサキスポーツ)とともに堀米を脅かす存在だ。
女子は波乱続きだった。五輪女王の西矢椛(サンリオ)が出場を逃し、世界選手権覇者の織田夢海(同)は最終戦で2位になったが、ポイント差で涙をのんだ。一方で14歳の吉沢恋と15歳の赤間凛音が勢いのままに切符を手に。それぞれ切り札の「キラートリック」を持ち、最終戦でも安定感が際立った。中山楓奈(ムラサキスポーツ)は苦しい時期を乗り越えて3番手に滑り込んだ。
本番まで1カ月。肝心なコースデザインも決まった。「選手の強化をどの国よりもアイデアを絞って実行していく」と早川コーチ。男女合わせて金2、銅1個だった東京五輪から着実に上積みしてきた成果を示せるか。
[時事通信社]
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