日常の脅威、地雷・不発弾の犠牲になる子どもたち アフガニスタン
【ガズニ(アフガニスタン)AFP=時事】アフガニスタン東部ガズニ州。きのこ型の黒煙が立ち上る中、地雷の爆発で空いた穴の周りに子どもたちが集まっていた。アフガニスタンでは、1日おきに地雷のような残留爆発物で子どもが亡くなっている。≪写真は、ガズニ州の村で地雷の爆発で空いた穴の周りに集まる子どもたち≫
イスラム主義組織タリバンは2021年、欧米の支援を受けた政府を打倒し復権。内乱は収束し、市民の姿が畑や学校、街中に戻ってきた。
しかし、再び自由になった移動には、40年にわたって相次いだ紛争の残骸による危険が伴う。
国連(UN)の統計によると、昨年1月から今年4月の間だけでも、900人近くが残留する地雷や不発弾によって死傷した。そのほとんどが子どもだった。
国連アフガニスタン支援団(UNAMA)地雷対策部門トップのニック・ポンド氏は、タリバン政権は「この国での地雷除去を強く支持し、可能な限り除去したがっている」という。
アフガニスタンでの地雷除去は早くも1988年に始まった。しかし、数十年にわたる紛争で、国土はまたも地雷や不発弾で覆われてしまった。
どれだけの地雷や不発弾が埋没しているかを予測することは「現時点ではほとんど不可能だ」と、ポンド氏はAFPに語った。
2023年1月以降、残留爆発物によって死傷した被害者の82%は子どもで、その半数は遊んでいる最中に被害に遭った。
地雷除去に取り組む英国の団体ヘイロートラストで爆発物処理責任者を務めるザブト・マヤル氏は、「資金不足」が大きな課題だと述べた。
「地雷除去作業員は2011年ごろには1万5500人いたが、今は3000人だ」とポンド氏は語った。
タリバン政権の正統性を認めない援助国が資金を引き揚げた一方で、世界の他の紛争地との資金の取り合いにもなっている。
それでも、地雷除去は頼りにされている。
北部バダフシャン州の集落にある小さな学校のモハマド・ハッサン校長は「校庭でさえ、地雷が残っていて危険だ」と語った。
ポンド氏によると、地雷や不発弾などは、子どもにはおもちゃのように見えることがある。
例えば、ソ連時代のバタフライ地雷「PFM-1」は、翼が広がったような形状で「つい拾いたくなる」という。
またこの貧しい国でスクラップ回収で生計を立てている人々にとって、金色をしている弾薬などは貴金属のように見える。
「子どもたちはそれを見て、金かもしれないと思い、石やハンマーでたたいて先端部分を取り出そうとする」とポンド氏は語った。【翻訳編集AFPBBNews】
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