2024-06-17 14:32

「原点」のパリで偉業に挑戦=キプチョゲ、前人未到3連覇へ―男子マラソン・パリの灯は近く

 陸上男子マラソンのエリウド・キプチョゲ(ケニア)にとって、パリは思い出深い地だ。2003年世界選手権パリ大会の5000メートルを制し、18歳にしてシニアの世界大会で初めて頂点に立った。それから21年。39歳となり、パリ五輪で男女を通じて前人未到のマラソン3連覇に挑む。
 「人間に限界はない」。こう話す通り、次々と壁を打ち破ってきた。18年のベルリン・マラソンで2時間1分39秒の世界新記録(当時)を樹立。22年のベルリンで、この記録を30秒塗り替えた。世界記録は昨年10月に更新されたが、19年には非公認ながら、史上初の「2時間切り」となる1時間59分台で駆け抜けた。
 21年東京五輪は暑さを苦にせず30キロすぎから独走し、史上3人目の2連覇。マラソン通算20戦16勝と無類の強さを誇るが、近年は陰りも見える。昨年4月のボストンは6位。最も直近のレースである今年3月の東京は10位に沈んだ。
 AFP通信によると、東京の失速は「疲労」が原因と分析。「どんな挫折にも対処できる年齢だ」と再起に自信をのぞかせ、母国の高地で順調に調整を進める。激しいアップダウンのある五輪本番のコースは確認済み。「パリは私の陸上人生が始まった場所」。原点の舞台で歴史に名を刻む戦いへ、準備に余念はない。 (ロンドン時事)
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集