2024-06-19 12:15社会

二階派元会計責任者、罪認める=収入2.6億円不記載―自民派閥パーティー事件・東京地裁

政治資金パーティーを巡る事件の構図
政治資金パーティーを巡る事件の構図

 自民党派閥の政治資金パーティーを巡る事件で、「志帥会」(二階派)の収支報告書に収入計約2億6400万円を記載しなかったなどとして、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた元会計責任者永井等被告(70)の初公判が19日、東京地裁(向井香津子裁判長)であり、被告は起訴内容を認めた。
 二階派では派閥のパーティー券販売についてノルマを設け、それを超えて売った分の収入を議員側に還流。二階俊博元党幹事長ら複数の議員側は、ノルマ超過分をそもそも派閥に納めず「中抜き」していた。
 検察側は冒頭陳述で、永井被告は多額のパーティー券売り上げが明らかになれば、翌年以降、支援者らの買い控えが生じるかもしれないと考え、過少申告したと指摘。議員らの販売額を記した一覧表を作成し、ノルマ超過分はそれぞれの政治団体に入金していたとした。
 収支報告書は永井被告ら事務局職員が作成していたとし、会長や事務総長については「被告から口頭で収支金額の報告を受けるだけだった」と関与を否定した。
 被告人質問も行われ、永井被告は虚偽記載を始めたきっかけについて「政権交代で議員が10人ほどしかいなくなり、派閥事務所の維持が困難になるなど何が起こるか分からないので、お金を残しておきたかった」と説明。不記載分の収入は選挙時の交通費や宿泊費などに充てたと話した。
 起訴状によると、永井被告は志帥会の2018~22年の収支報告書にノルマ超過分など計約2億6400万円を収入として記載しなかったなどとされる。 
 一連の事件では、「清和政策研究会」(安倍派)の収支報告書にノルマ超過分など計約6億7500万円を収入として記載しなかったなどとして同派の会計責任者松本淳一郎被告(76)も起訴され、初公判で起訴内容を大筋で認めた。

 

 ◇派閥パーティー事件を巡る経緯
2022年11月    大学教授が自民党5派閥を刑事告発(23年1月まで)
  23年12月19日 東京地検特捜部が安倍、二階両派の事務所を家宅捜索
        下旬  衆院議員池田佳隆、参院議員大野泰正両被告の事務所など捜索
  24年 1月 7日 池田被告と秘書逮捕
        19日 安倍派会計責任者や二階派元会計責任者、大野被告ら8人立件
        26日 池田被告と秘書を起訴、安倍派7幹部ら不起訴
      3月25日 二階俊博元党幹事長が次期衆院選への不出馬表明
      4月 4日 自民党が安倍、二階両派の議員ら39人の処分決定
      5月10日 安倍派会計責任者、初公判で起訴内容を大筋認める
      6月19日 二階派元会計責任者、初公判で起訴内容を認める
※関係者への取材や発表などに基づく

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