2024-10-20 00:14社会

自民党本部前で火炎瓶=官邸前に車突入、49歳男逮捕―警察車両燃え、3人のどの痛み・警視庁

事件現場図
事件現場図

 19日午前5時45分ごろ、東京都千代田区永田町の自民党本部前で、男が火炎瓶のようなものを数本投げ、白い軽自動車で国会の方向に逃走した。その後、軽自動車は約650メートル先の首相官邸前で、車両進入阻止用のバリケードに突入。男は車から降りると、発煙筒のようなものを投げ、公務執行妨害容疑で現行犯逮捕された。
 自民党本部前にいた男性警察官3人がのどの痛みを訴えており、警視庁は傷害容疑も視野に調べを進める。
 警視庁によると、男は埼玉県川口市差間、職業不詳臼田敦伸容疑者(49)。黙秘しているが、同庁は同容疑者宅を家宅捜索するなどし、二つの事件に関与したとみて動機や詳しい経緯を調べている。
 火炎瓶のようなものは、自民党本部の正面入り口付近に5本ほど投げ込まれ、一部が機動隊の車両に当たり前方バンパー付近が燃えたほか、党本部の門扉も一部燃えた。
 その後、臼田容疑者は官邸前の車両進入阻止用の柵に突入。軽自動車を降りて警察官などに向かって発煙筒を複数回投げ、その後何らかの方法で自分で車内に火をつけたとみられる。近くにいた警察官に取り押さえられ、同日午前5時50分すぎに現行犯逮捕された。
 車内からは、布が入った液体入りの瓶の外側に、細い棒状の着火剤二つが取り付けられた火炎瓶のようなものが見つかった。手製とみられ、自民党本部前で投げ込まれたのと同じ構造の可能性もあるという。
 車は埼玉県内のナンバーで、荷室には約20個のポリタンクが積まれ、その大半にガソリンが入っていたという。天井にはランプのようなものが載せられていた。 
 国内外では、組織などに属さない過激化した個人「ローンオフェンダー」(LO)のテロが相次ぐ。警察当局は今年4月から情報収集を強化。職務質問や事件捜査などを通じて得た危険性がある人物の情報を警備部門に集約し、政治への不満の有無や爆発物を用意する恐れなどを分析した上で対策を講じている。ただ、LOは一個人で準備から実行まで行うため、兆候を察知するのは難しいとされている。

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