G7に反発、ウクライナ攻撃緩めず=非難のさなか訪朝へ―ロシア大統領
ロシアのプーチン大統領は14日、先進7カ国首脳会議(G7サミット)に合わせ、侵攻するウクライナに対する新たな「和平案」を発表した。東・南部4州を手放すよう、ウクライナのゼレンスキー政権に迫る内容。西側の制裁やウクライナ支援に反発し、ロシアの目標達成まで攻撃の手を緩めない姿勢を鮮明にした。
プーチン氏は14日、モスクワの外務省で急きょ演説。制裁による凍結資産を活用したウクライナ支援強化をうたうG7首脳声明採択を前に「ロシア資産の窃盗は処罰を免れない」と報復措置を警告した。
ただ、「報復措置」は制裁に対する紋切り型の文言で、ロシアが外交面でG7に対抗する手段は乏しい。そのためウクライナに圧力を強めたとみられ、北大西洋条約機構(NATO)非加盟の要求などをのまなければ、さらなる流血の事態になると威嚇した。ウクライナが主導して15、16両日にスイスで開催される「平和サミット」の妨害も狙ったもようだ。
G7は首脳声明で、ロ朝の軍事協力も強く非難した。プーチン氏はこれを無視するかのように、近く北朝鮮を訪問する見通しだ。平壌の空港で歓迎の準備が進んでいるという報道もある。
プーチン氏は今月5日、内外メディアの取材に「北朝鮮はロシアの隣国であり、誰かが好むと好まざるとにかかわらず、関係を強化する」と強調。G7の懸念を意に介さない姿勢を示した。
[時事通信社]
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