都知事候補、知名度がカギ=きっかけは青島幸男氏?
![東京都知事選で当選確実となり、家族に囲まれて万歳をする青島幸男氏(中央)=1995年4月、東京都中野区](https://img.sp.m.jiji.com/image/out/20240615at33S_p.jpg?updated=1718399870)
東京都知事選(7月7日投開票)は20日に告示される。戦後、直接選挙で選ばれ9人の都知事が誕生。厚生次官を経て初代知事に就任した安井誠一郎氏や、自治次官や官房副長官を歴任した鈴木俊一氏といった官僚出身者が名を連ねた。一方、昨今の都知事選では知名度が重視され、作家や学者出身の著名人らの当選者が目立つ。
こういった傾向に、選挙が人気投票になっているとの見方も多く、ある都政関係者は「就任後の行政能力よりも知名度を優先する選挙になっている」と指摘する。1995年には、無党派として出馬した放送作家の青島幸男氏が、元官房副長官の石原信雄氏に46万票を超える差をつけて勝利。自民党、旧社会党などの相乗りで、大本命と目されていた石原氏の敗北は、既存政党の関係者に大きなショックを与えた。
元都庁幹部はこの背景として「人口動態の大きな変化があった」とみている。70年代の「第2次ベビーブーム」ごろまで急激に人口が増加し、90年代には都の有権者数は約900万人に上った。加えて「バブル経済の崩壊による都民の政権批判も強まり、青島氏のような個性的な無党派知事が生まれやすくなった」と解説する。
その後も、芥川賞作家で、俳優の石原裕次郎氏の実兄として知られる慎太郎氏が就任。作家の猪瀬直樹氏や国際政治学者の舛添要一氏といったテレビのコメンテーターとしても活躍した著名人が続いた。
先の元都庁幹部は、都知事選のような大型選挙で有権者全体に訴えを届けるには「2週間余りの選挙期間では短過ぎる」と強調。今後も知名度が有利に働く傾向は続くと分析していた。
[時事通信社]
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