鬱憤晴らした西武打線=投打かみ合い連敗ストップ―プロ野球
打者10人の攻撃で一挙に5得点。極度の不振に陥った西武打線が五回、鬱憤(うっぷん)を晴らすように快音を響かせた。
2死三塁から先制打を放った元山には格別の思いがあった。前日は三塁の守備でミスを犯した後、ベンチに下げられた。懲罰交代の悔しさに、試合後は日付が変わるまで室内練習場でバットを振った。
渡辺監督代行に「きょうはお前が頑張れ」と声を掛けられて臨んだこの日。好機で巡った打席で広島・森下のカットボールを中前へはじき返すと「悔しさと懸ける思いでほえずにはいられなかった」。25歳の雄たけびが着火剤。打線がつながり、好投手をこの回限りで引きずり下ろした。
今季2度目の8連敗を喫した11日、内野ゴロに倒れて最後の打者となった主将の源田はグラウンドでうずくまって泣いた。先発した今井も目頭を押さえた。大量の借金を抱えるチームは誰もが苦しみを抱えている。
隅田は今季初完封。投打で意地を見せた選手たちに監督代行は「良い形で主導権を取れて逃げ切れた」と目を細めた。「まずは勝ててよかった」と言ったのは源田。目標を失いつつあるチームに一筋の光が差した。
[時事通信社]
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