バイデン氏、国際協調の正念場=ウクライナ、ガザで難局―G7
【バーリ時事】バイデン米大統領は、イタリア南部プーリア州で13~15日に開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する。バイデン氏にとってG7は「国際協調」の舞台装置の一つだが、主要議題のウクライナや中東で難局打開の見通しが立たないことから、米国内の孤立主義を助長させる可能性もある。
バイデン氏は12日に首都ワシントンを出発。同日中に現地入りし、14日に帰国の途に就く。カービー大統領補佐官(広報担当)によると、13日にウクライナのゼレンスキー大統領と会談し、共同記者会見に臨む。
両首脳は7日にパリで会談したばかり。1週間で2回の会談という異例の対応は「ウクライナに対する責任を明瞭にする」(カービー氏)ためだ。この背景には米国の支援の遅れが、侵攻を続けるロシアの攻勢を招いた経緯がある。
G7は今回のサミットで、制裁により凍結したロシア資産約3000億ドル(約47兆円)から得られる利益をウクライナ支援に充てる方策で合意する見通し。ただ、これによって欧米の保守層に広がる「支援疲れ」が解消するかは不透明だ。
元米軍高官の専門家は「ウクライナがロシアから広大な領土を奪還できると考える人が、どれだけいるだろうか。『ウクライナ支援(に向ける資金)を国内問題に充てるべきだ』という考えは否定しにくい」と語る。
G7首脳は13日のワーキングランチで、衝突が続くパレスチナ自治区ガザ情勢について意見交換する。イスラエルとイスラム組織ハマスの双方に停戦案の受け入れを改めて求めるとみられるが、中東和平の将来像を巡って「国際協調」があるとは言えない。
ガザの人道状況が悪化の一途をたどる中、バイデン政権のイスラエル寄りの姿勢は内外で批判を浴びている。3万7000人以上が死亡した現状について、カービー氏は12日の記者会見で、G7が果たせる具体的な役割に関し何も語らなかった。
[時事通信社]
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