資産運用特区に4地域=北海道、東京、大阪、福岡を指定―金融環境整備へ規制緩和・政府
政府は4日、国内外の資産運用業者らの参入や投資マネー流入を促す「金融・資産運用特区」の実現パッケージを決定し、北海道と札幌市、東京都、大阪府と大阪市、福岡県と福岡市の4地域を特区に指定した。手続きの英語対応といった規制緩和や地方税減免などを通じて金融都市としての環境を整備し、地域産業や新興企業の育成にもつなげる。
岸田文雄首相は決定に先立って開かれた国家戦略特区諮問会議で、「すべての特区指定地域が特色、強みを生かして継続的に規制改革の提案や制度の活用に努めていただきたい」と強調した。
金融・資産運用特区は、国家戦略特区の枠組みを活用し、政府が昨年12月に決定した「資産運用立国実現プラン」に創設方針が盛り込まれた。今年1月から募集を開始、4地域が応募していた。
会議では、北海道を新たに国家戦略特区にも指定するほか、自治体間で課題解決に取り組む新制度「連携絆特区」として福島・長崎両県と宮城・熊本両県の2地域を指定することも決めた。
パッケージによると、言語による障壁を減らすため、国の支援策として海外資産運用業者の登録手続きや相談などが英語でできる「サポートオフィス」を4地域に設置。商業登記や健康保険手続きなどの英語化や外国人の銀行口座開設も支援する。
また、グリーントランスフォーメーション(GX)関連事業に対する銀行の出資規制も緩和し、地域の成長産業の育成をサポートする。
4地域はそれぞれの取り組みも推進する。GX産業の集積を目指す北海道・札幌市は、参入業者への税制支援を検討。金融による持続可能な社会づくりを進める東京都は投資運用業者の独立経費補助などを打ち出している。
大阪府・大阪市は万博を機にスタートアップ企業の集積、福岡県・福岡市はアジアのゲートウエーとして新興企業育成などに重点を置いている。
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