イスラム教徒は「侵入者」発言も=電子投票に疑念、偽動画拡散―モディ印首相
【ニューデリー時事】約1カ月半にわたったインド総選挙の投票期間中、与野党の指導者は政策論議よりも相手陣営への誹謗(ひぼう)中傷をエスカレートさせた。特に、国内で少数派のイスラム教徒に対する差別をあおるようなモディ首相の発言は物議を醸した。
「(野党の)国民会議派は国の富をより多くの子供を持つ人々に分配するだろう。あなた方が苦労して得たお金が『侵入者』に渡るのを受け入れるのか」。4月、遊説したモディ氏は、野党を批判する文脈で相対的に出生率が高いとされるイスラム教徒をそう表現した。
自らが率いる与党インド人民党(BJP)の支持基盤であるヒンズー教徒に向けたアピールとみられるが、野党を中心に「ヘイトスピーチ(憎悪表現)だ」などと反発を招いた。
一方、選挙への信頼を揺るがすような出来事も相次いだ。投票後数日たってから投票率が5%程度上方修正されたケースがあり、野党側は電子投票機の記録が改ざんされたのではないかと問題提起した。選管は否定したが、疑念は払拭されていない。選挙戦では生成AI(人工知能)で作られた候補者らの偽動画が拡散。投票行動に悪影響を与える懸念も指摘された。
また、地元メディアによると、北部ウッタルプラデシュ州の村で、村長の息子が投票に訪れた8人の投票用紙を奪ってBJPの候補に投票し、逮捕された。
[時事通信社]
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