規正法、4日にも衆院通過=会期延長せず、与党方針
週明けの国会は、自民党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正案の衆院審議が大詰めを迎える。公明党と日本維新の会の主張を織り込んだ再修正案を提示して両党の協力を取り付けた自民は、4日の衆院通過を目指す。立憲民主党などは衆院政治改革特別委員会で岸田文雄首相(自民総裁)への質疑を要求しており、政治改革を巡る自民の「消極姿勢」を印象付けたい考えだ。
規正法改正案は今国会で成立する見通しで、与党は23日までの会期を延長せず閉会させる方針だ。関係者は「延長しても改革に後ろ向きな印象を与えるだけ」と語った。
与党は外国人材受け入れ制度「育成就労」を創設する入管難民法などの改正案や、非常時に国が自治体に必要な指示ができるようにする地方自治法改正案などの成立に全力を挙げる。
首相は5月31日、公明、維新両党と再修正案で合意した後、記者団に「自民として思い切った案を提示した。今国会改正に向け、全力を挙げて取り組みたい」と語った。
与野党は3日の特別委で、再修正案について質疑を行う。首相が取りまとめを主導した経緯から、自民は特別委で異例となる首相質疑に応ぜざるを得ないとの判断に傾いており、4日開催を軸に調整を進める方針だ。首相質疑を終え次第、同日中にも再修正案を衆院本会議で可決。5日に参院で審議入りし、23日の会期末までに成立させる日程を描いている。
再修正案は公明がこだわったパーティー券購入者の公開基準額「20万円超」から「5万円超」への引き下げを明記。維新が求めた10年後の政策活動費の領収書公開案も採用した。孤立を深めていた自民は両党を引き寄せ、「包囲網」の一角を切り崩した形となった。
一方、立民は再修正案は世論の支持を得られないとみており、企業・団体献金の禁止など抜本改革を引き続き要求する方針だ。安住淳国対委員長は5月31日、再修正案を「事実上の骨抜きだ」と批判した。首相質疑には論客の野田佳彦元首相らを質問者に立てる案が出ている。
立民内では規正法審議のヤマ場に合わせ、内閣不信任決議案を衆院に提出する選択肢が取り沙汰されている。自公政権への対決姿勢を鮮明にし、政権交代への機運を高めるのが狙いだ。
会期末近くには参院特別委でも首相質疑が予想され、与野党の間では党首討論を行う案も浮上する。20日には立民の蓮舫参院議員が出馬する東京都知事選の告示が予定されている。立民はこうした政治日程をにらみ、世論の反応を見極めながら、不信任案提出の可否やタイミングを判断する方針だ。
[時事通信社]
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