大統領選で立候補受け付け=ライシ師後任、保守強硬派が優勢―イラン
【イスタンブール時事】イランで30日、搭乗したヘリコプターの墜落で死亡したライシ大統領の後任を決める大統領選の立候補受け付けが始まった。来月3日まで行われ、その後は最高指導者ハメネイ師の影響力が強い「護憲評議会」の資格審査を経て、最終候補者が決定される。ハメネイ師やライシ師に近い保守強硬派が多く出馬を認められる公算が大きく、選挙戦は強硬派優勢で進むとみられる。
大統領選は6月28日に投開票され、過半数に達する候補がいなければ決選投票が7月5日に予定される。前回の大統領選はライシ師が得票率62%で初当選。だが、市民の間には生活改善や変化への期待が乏しく、大統領選の投票率としては1979年のイスラム革命以降で最低だった。
ハメネイ師の後継候補と目されたライシ師に代わる有力者は、保守強硬派や対立する穏健・改革派にも不在だ。このため、過去に立候補経験のあるラリジャニ前国会議長や、ハメネイ師に近いジャリリ元最高安全保障委員会事務局長らが取り沙汰される。アハマディネジャド元大統領、原子力庁長官や外相を歴任したサレヒ氏らも出馬を模索中と伝えられている。
ハメネイ師は25日、ライシ師の親族らと面会。「昼夜働き、革命の信条を掲げる大統領だった」と対欧米強硬路線を堅持したライシ師をたたえた。一方、反体制デモが頻発するなど革命指導部への信任が失われている状況下で、護憲評議会が穏健・改革派の一部の出馬を認めるとの見方も出ている。
[時事通信社]
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