レーダー照射、再発防止確認へ=日韓防衛相、協力正常化狙う
日韓両国の防衛担当閣僚が近く会談し、2018年の韓国海軍艦艇による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題について、再発防止策を確認する方向で調整していることが20日、分かった。両国の防衛協力は照射問題を巡るしこりから停滞しているが、再発防止を申し合わせることで正常化の一歩としたい考えだ。
会談はシンガポールで5月31日から開かれるアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)に合わせて行われる見込み。日韓防衛相会談は昨年6月以来で、木原稔防衛相と申源※(※はサンズイに是)国防相によるものは初めてとなる。岸田文雄首相も今月下旬で調整するソウル訪問の際、尹錫悦大統領と安保協力強化を話し合う方向で調整している。
レーダー照射問題は文在寅前政権時代の18年に日本海で発生。日本政府の抗議に対し、韓国側は照射を認めず、海自機の飛行を「威嚇飛行」と非難した。元徴用工問題で戦後最悪と言われるまで悪化した日韓関係は、22年の尹政権発足を受けて大きく改善したが、防衛当局間では同問題が障害となりぎくしゃくした関係が続いている。
防衛相会談で確認する再発防止策は海軍艦艇・航空機が遭遇した際の多国間の行動基準「海上衝突回避規範(CUES)」に沿った運用の徹底が柱となる見通し。安保環境の厳しさを踏まえ、日米韓3カ国の枠組みでは防衛協力の深化が進んでおり、会談では2国間での当局者の相互往来や共同訓練の活発化も議論したい考えだ。
ただ、韓国側がレーダー照射の事実関係を認めない中、真相究明を棚上げしたと映れば世論の反発を招きかねないとの懸念も防衛省内にはあり、日本政府は調整を慎重に進める方針だ。
[時事通信社]
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