日本政府、対中姿勢を注視=台湾新総統とも協調
台湾で頼清徳新総統が就任したことに関し、日本政府は頼氏の中国に対する姿勢を注視する方針だ。中国と距離を保った蔡英文政権の路線を継続するとみられ、中国が台湾への圧力を強めることを警戒。米国などと連携し、中国への働き掛けを続ける構えだ。
林芳正官房長官は20日の記者会見で、「台湾海峡の平和と安定の重要性を引き続き中国に直接伝え、各国共通の立場として明確に発信していく」と強調。「両岸関係の推移を注視する」と語った。
頼氏は蔡政権の外交・安全保障政策を維持する方針で、日本外務省幹部は「独立と言って事を荒立てることはしないだろう」との見方を示す。頼氏は「台湾独立工作者」を自称したことがあり、別の幹部は「慎重にかじ取りした蔡氏と同じ路線だと思うが、分からない部分もある」と指摘した。
岸田文雄首相は今月、南米で唯一台湾と外交関係を持つパラグアイを訪問し、ペニャ大統領と会談。東アジアで「一方的な現状変更の試み」に反対する認識で一致した。各国首脳に「台湾危機」回避の重要性を訴え、外交面で台湾を「側面支援」する考えだ。
日本政府は台湾と「非政府間の実務関係を維持する」との立場。自民党を通じて頼政権との関係強化を図る姿勢で、昨年8月には麻生太郎副総裁が頼氏と会談した。今後も党青年局などのレベルで連携を深める方針だ。
[時事通信社]
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