イスラエル、米との溝深まる=ネタニヤフ氏「単独でも」作戦続行
【カイロ時事】イスラエルのネタニヤフ首相は9日、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦闘に関連し、「もしわれわれが単独で行動する必要があるならば、単独で行う」と述べ、他国の支援がなくても軍事作戦を継続する意向を強調した。最大の支援国である米国のバイデン大統領が先に、イスラエルへの武器供与停止を警告したことに反発したとみられ、米国との溝が深まっている。
ネタニヤフ氏はイスラエルが建国された1948年の第1次中東戦争の時代は「われわれは大勢に対抗する少数だった」と指摘。「今やわれわれの力はより強大になった。敵を打ち破るために結束している」と述べた。
ネタニヤフ政権は、多数の避難民が集中するガザ最南部ラファに地上侵攻する考えを再三強調している。イスラエル軍報道官は9日、「(軍は)ラファでの任務完遂のための十分な武器を有している」と語った。
イスラエルは10日もラファ空爆を続行。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は既に推計約11万人がラファから脱出したとして、「ガザに安全な場所はない」と訴えた。
ガザの戦闘休止に向けた間接交渉は、イスラエルとハマスの代表団が9日にカイロから帰還し、成果なく終了した。カービー米大統領補佐官(広報担当)は、バーンズ中央情報局(CIA)長官も帰途に就いたとした上で、「協議が続いていないということではない。前進への道はあると信じている」と語った。
また、ハマスは10日未明に声明を出し、イスラエル側が休戦案を拒否したことを批判。「今やボールは完全に占領者(イスラエル)側にある」と述べ、イスラエルの譲歩を要求した。
[時事通信社]
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