CIA長官、イスラエル首相と会談=ガザ休戦交渉、進展なしか
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザで続くイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘の休止と人質解放に向けた間接交渉で、仲介に当たる米国のバーンズ中央情報局(CIA)長官が8日、イスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談した。イスラエルのメディアが報じた。エジプトでは8日も交渉が続いたが、ロイター通信によると、イスラエル当局者は進展の兆しはないとの見方を示した。
バーンズ氏とネタニヤフ氏は会談で、イスラエル軍がガザ最南部ラファでの軍事作戦を停止するのと引き換えに、ハマスが人質を解放する可能性について議論したと伝えられている。
仲介役の米国、エジプト、カタールのほか、イスラエルとハマスの代表団がカイロに集まり、7、8日の両日、休戦案を巡り協議した。イスラエルは、先にハマスが同意した案は、当初案から内容が変更されていると難色を示していた。カービー米大統領補佐官(広報担当)は、双方の隔たりは「乗り越えられる」と述べたが、事態打開には至っていないもようだ。
一方、イスラエル軍は7日、ラファ東部での限定的な地上作戦で、エジプトとの境界にあるラファ検問所を制圧した。一帯では、地下トンネルなどハマスの施設を見つけて掃討する作戦が続いている。交渉と同時に軍事作戦を強化するのは、ハマスに圧力をかけ譲歩を引き出すためとされる。
しかし、イスラエルの強硬姿勢には批判も出ている。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のラザリニ事務局長はX(旧ツイッター)で、人道支援物資の搬入に欠かせない検問所について「遅滞なく再開する必要がある」と訴えた。
イスラエルのガラント国防相は7日の声明で、人質が解放されなければ「作戦を拡大させる」と強調。ラファなどガザ全土でハマス壊滅まで作戦が続くと警告した。
[時事通信社]
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