旧ソ連圏結束へ首脳会議=制裁下のロシア経済ブロック
ロシアのプーチン大統領は通算5期目に入った。8日、自国主導の「ユーラシア経済同盟」の首脳会議をモスクワで開催。ロシアは勢力圏を力ずくで保持しようとウクライナ侵攻を続ける中、影響力が皮肉にも低下した。西側諸国の制裁に耐え抜くため、死活的に重要な旧ソ連圏の結束を図る。
9日にはモスクワで対ドイツ戦勝記念日の軍事パレードがあり、旧ソ連構成国首脳が参列。プーチン氏は8日の声明で共に戦った「友愛の絆」を強調しており、国際社会で孤立するイメージの払拭を狙う。
ユーラシア経済同盟の今年の議長国アルメニアは2月に国際刑事裁判所(ICC)に加盟。ICCに逮捕状を出されたプーチン氏は訪問時に拘束される可能性があるため、今回はロシアが会場となった。
アルメニアのパシニャン首相は8日の首脳会議だけ参加。ナゴルノカラバフ紛争でアルメニアは昨年9月、同盟国ロシアの支援がなく、アゼルバイジャンに敗北した。パシニャン氏が軍事パレードを観閲すれば自国で批判を招くからだ。
ロシアは中央アジア諸国との摩擦も表面化している。3月のモスクワ郊外の銃乱射テロで「イスラム過激派」が拘束された結果、労働移民のロシア入国が拒まれるケースが多発。人、モノ、カネの移動を自由化する経済同盟の理念が揺らいだ。
旧ソ連圏の一部はロシアにとって、並行輸入など制裁回避の拠点となった。しかし、米国は2月、ロシア独自の決済システム「ミール」運営会社に制裁を発動。ミールは連鎖的な制裁を恐れる銀行が取り扱いをやめ、決済不能に陥っている。
[時事通信社]
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