パー券、公開拡大へ調整=自民、旧文通費開示も検討
自民党は同党派閥の裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡り、パーティー券購入者の公開基準を現行の「20万円超」から引き下げる方向で調整に入った。公明党の要求に一部応じるもので、国会議員に月100万円支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開も検討する。自民幹部が2日明らかにした。
自民が姿勢を軟化させた背景には、衆院3補欠選挙で全敗したことがあるとみられる。自民は大型連休明けから公明との協議を加速させ、与党案の取りまとめを急ぎたい考え。公明は基準額「5万円超」を主張しており、どこまで引き下げるかが焦点となる。
自民内では、裏金の温床との批判が強い政策活動費の使途や、「国会議員関係政治団体」から寄付を受けた「その他の政治団体」の収支についても、透明性向上を図る案が浮上している。
規正法はパーティー券購入者の公開基準を「1回20万円超」と定めており、寄付の「年間5万円超」に比べて透明性の低さが指摘されている。自民は1月の段階で「公開基準の引き下げが必要だ」(茂木敏充幹事長)との立場だったが、その後、情報開示を嫌う団体や個人に敬遠され資金集めが困難になりかねないとの懸念が広がり、先月下旬にまとめた自民案では「検討事項」に位置付けるにとどめていた。
自民幹部は2日、「引き下げる方向だ」と言明。「公明や野党が要求している以上、据え置きを主張し続けることはできない」と語った。
旧文通費は2022年に日割り支給に改められたものの、使途公開と未使用分の国庫返納が積み残しの課題となっている。日本維新の会は今国会中の決着を求めており、岸田文雄首相(自民総裁)が議論再開を党に指示。田村憲久政調会長代行は先月29日のテレビ番組で「(使途公開を)実現したい」と語った。
[時事通信社]
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