立民、衆院解散へ攻勢=政治改革で主導権狙う
立憲民主党は衆院3補欠選挙の勝利を、次期衆院選の追い風としたい考えだ。政治改革に対する自民党の消極姿勢が国民の強い反発を招いたとみて、大型連休後に本格化する政治資金規正法改正を巡る与野党協議で主導権を握り、衆院解散・総選挙に追い込む戦略を描く。
「政治改革を占う選挙戦だった。自民案は全く駄目だ。国民の信任を得られないと認識し、出し直してもらいたい」。立民の泉健太代表は28日夜、党本部で記者団にこう訴えた。
3補選はいずれも、自民派閥の裏金事件を受けた「政治とカネ」の問題が、最大の争点となった。立民は「裏金問題の処理にイエスかノーかの戦いだ」(泉氏)と訴え、政権批判の受け皿となることを目指した。
特に、唯一の与野党対決となった島根1区には選挙期間中、泉氏が繰り返し現地入り。自民の「牙城」切り崩しを図っただけに、立民幹部は「大きな勝利だ」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。
補選の結果、与野党の勢力比に応じて配分される衆院政治倫理審査会の委員数は、野党側が1増となる見通し。これにより、野党単独で審査の申し立てが可能になる3分の1を超えることになる。立民幹部は「自民への圧力になる」と意義を強調した。
一方、泉氏にとって補選で公認候補の勝利は初めて。これを受け、党内では9月末の代表任期満了前の「泉降ろし」が、ほぼなくなったとの見方が広がる。ベテランは「基本的に泉氏の続投だ」と明言。若手も「衆院選を戦っていないのに泉氏を代える理由はない」と強調した。
◇維新「関西以外」不発
日本維新の会は、基盤とする関西以外の小選挙区で悲願の議席獲得を目指し、自民が公認候補の擁立を見送った東京15区と長崎3区で、立民などと競合した。
選挙戦では、共産党の支援を受ける立民に対し、「立憲共産党」などとネガティブキャンペーンを展開。保守票の取り込みを狙ったが、地力の差は覆せなかった。
馬場伸幸代表は28日夜、大阪市で記者会見し、「まだまだ関西以外の小選挙区で勝つのは非常に厳しい状況だ。衆院選に向け、一から活動を積み重ねる」と述べた。
[時事通信社]
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