尖閣警備、日中の攻防激化=「エスカレート」警戒する政府
沖縄県石垣市の尖閣諸島を巡っては、領有権を主張する中国の海警局船が領海侵入を繰り返し、日本の海上保安庁も大型の巡視船を導入するなどして対抗している。一方、日本政府は事態のエスカレートを懸念し、慎重姿勢を崩さない。
「国有化以前はのどかな海域だった」。ある海保幹部はそう指摘する。かつては上陸する日本人も少なくなかったというが、2012年に東京都の石原慎太郎知事(当時)が民有地だった3島の購入を表明。政府が国有化して以降、中国側は強硬姿勢を強めた。21年に海警法を施行し、海警局に武器使用を許可。領海侵入の回数は増加し、接続水域での航行も常態化した。フリゲート艦を改造したとみられる海警船も現れている。
日本側は23年、日本が外国から攻撃を受けた武力攻撃事態に、防衛相が海保長官を統制下に入れる「統制要領」を決定。防衛省関係者は、東シナ海では海上自衛隊の護衛艦と中国軍の艦艇が、海面下では日中の潜水艦が距離を取ってにらみ合っていると明かす。
「長く突発事態が起きていないのは、冷静を保つ意識が末端まで浸透しているからだ」。海保幹部はこう口をそろえる。17年、元幹部がボクシングになぞらえて「クリンチ」と評し、23年には第11管区海上保安本部(那覇市)の幹部が「引き分けのキープが重要だ」と発言したが、世論の批判を浴び、首相官邸からも叱責を受けた。
石垣市が海洋調査に赴いたのは3年連続。ただ、市が求める上陸の許可は今回も下りなかった。「こちらが行動すれば、中国にも同じことをされる」。エスカレートを懸念する外務省などの方針を受け、首相官邸にはドローンの飛行にも否定的な見解があったという。今回調査に携わった市関係者は「本来は国がやるべきことだ」と語った。
[時事通信社]
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