2024-04-28 17:38社会

迫る海警、制する海保=「領海退去を」尖閣巡り応酬―海洋調査船に同行取材

魚釣島周辺で接近する中国海警局の船(中央奥)と海上保安庁の巡視船(手前の2隻)=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖
魚釣島周辺で接近する中国海警局の船(中央奥)と海上保安庁の巡視船(手前の2隻)=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖

 26~27日にかけ、尖閣諸島に向かった沖縄県石垣市の海洋調査船。同行した記者が目にしたのは、領海侵入し接近してくる中国の海警船と、並走して監視する海上保安庁の巡視船による激しいつばぜり合いだった。
 調査船は26日午後10時、北西に約170キロ離れた魚釣島に向けて石垣港を出発した。一夜明け、空が白み始めた午前6時ごろには、船の左右と後ろを海保船ががっちりカバー。遠くに複数の海警船と海保船が並走するのが見え、操舵(そうだ)室内では「ここは日本の領海だ」「釣魚島は中国固有の領土だ。貴船はわが国の領海に侵入した」と、互いに退去を求める日中の無線が応酬していた。
 午前7時前、ついに魚釣島の眼前に迫った。海警船は計4隻。うち島を背にした2隻の海警船がこちらに船首を向け、待ち構える。一方、海保船は目視できただけで11隻。調査船の三方を固め、その外側にも弧を描くようにして、周囲を監視していた。
 調査船が島の北側に回ると、島陰からやや大型の海警船が姿を現した。周囲の海保船はみるみる速度を上げ、2隻が海警船の両舷を挟んだ。さらに別の2隻が調査船との間に割って入り、海警側の動きを完全に封じ込めた。
 それでも海警船は領海内にとどまり続けた。午前9時ごろ調査船が島を離れた後も、午後1時ごろまで2隻で追尾。「中国の領海内から日本船を追い出した」と誇るかのようだった。 
[時事通信社]

ドローンで撮影した魚釣島の映像を確認する国会議員ら=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖
ドローンで撮影した魚釣島の映像を確認する国会議員ら=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖
沖縄県石垣市の海洋調査船の操舵(そうだ)室にあるレーダー画面。中国海警局の船が映る。奥は魚釣島=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖
沖縄県石垣市の海洋調査船の操舵(そうだ)室にあるレーダー画面。中国海警局の船が映る。奥は魚釣島=27日午前、沖縄県石垣市の尖閣諸島沖

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