ハマス、人質の動画公開 ガザでの生活は「地獄」
【パレスチナ自治区AFP=時事】イスラム組織ハマスは24日、パレスチナ自治区ガザ地区で拘束しているイスラエル系米国人の人質男性が「地獄の中で」暮らしていると語る動画をテレグラムの公式アカウントで公開した。≪写真は、中東エルサレムにあるイスラエル首相官邸前で、イスラム組織ハマスに拉致されたハーシュ・ゴールドバーグポリンさんらの解放を求め、抗議デモを行う人≫
男性は昨年10月7日にハマスがイスラエルを攻撃した際、南部ネゲブ砂漠で開催されていた音楽フェスティバル「スーパーノバ」で拉致された人質の一人、ハーシュ・ゴールドバーグポリンさん(23)を名乗っている。
ハマスに拉致された被害者家族の団体「人質および行方不明者家族フォーラム」は、ゴールドバーグポリンさんの両親が「息子ハーシュさんの動画」をメディアが放送することを許可したと述べた。AFPは動画の真偽について、独自に検証できていない。
ゴールドバーグポリンさんは拘束された際に重傷を負った。動画では左肘から先が失われており、「友人と遊びに行ったのに、全身に重傷を負い、生きるために闘うことになった」と語っている。
動画が撮影された日時や場所は不明だが、ゴールドバーグポリンさんは人質にされている期間について「約200日間」と言及している。昨年10月7日のハマスによる奇襲攻撃を受けてイスラエル軍とハマスとの戦闘が始まってから23日で200日が経過した。
強要された状態で話したとみられるゴールドバーグポリンさんは、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相のガザ紛争への対応や、人質奪還に失敗したイスラエル軍を批判している。
さらに、人質は「水も食料も日光もない地下で、私が切実に必要としている医療も受けられないまま、とても長期間暮らしている」と語っている。
ゴールドバーグポリンさんの両親は24日夜、「きょう、ハーシュの動画を見て打ちひしがれた」と声明を発表。「生きている息子の姿を見てほっとしたが、彼の健康と暮らしの状態、そして他の人質全員やこの地域で苦しんでいるすべての人々の健康と暮らしについて心配している」と述べた。
また、戦闘休止と人質返還について交渉している各方面に対し、「私たち全員が愛する家族と再会し、この地域の苦難が終わるよう、この機会に勇気をもって身を乗り出し交渉を成立させてほしい」と求めた。【翻訳編集AFPBBNews】
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