女性賃金、男性の75%=程遠い「欧米並み」実現
政府は24日、男女の賃金格差を「欧米諸国並み」に縮小させる目標に向けて検討に入ったが、実現には程遠い。厚生労働省がフルタイム勤務の一般労働者10人以上を雇用する事業所を対象にした調査によると、2023年の男性の月額平均賃金35万900円に対し、女性の賃金は26万2600円とその約75%の水準にとどまる。
男女雇用機会均等法が施行された1986年時点では60%近くだったため、格差は縮小傾向にある。しかしその歩みは遅く、90%近い欧米の背中は遠い。出産や子育てをきっかけとする離職で勤続年数が短く、管理職の割合が低いことなどが原因だ。
少子高齢化の進行による構造的な労働力不足への対策として、政府は女性活躍を推進しようと、企業にも対応を求めてきた。22年には従業員301人以上の企業を対象に、男女賃金格差の情報開示を義務化した。政府はさらに、業界別の実態把握を進め、新たな対策の取りまとめを急ぐ。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの尾島有美主任研究員は「賃金差の算出を通じて、まだ大きな差が残っていることを認識した企業も多いだろう」と指摘。その上で、「育児・家庭と両立しつつ管理職を目指せるような施策を進める必要がある」と政府や企業に取り組みを求めた。
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