ピッチクロックで故障禍に?=大谷も負担増を指摘―米大リーグ
【ニューヨーク時事】米大リーグで、投球間の時間を制限するピッチクロックが投手のけが増加をもたらしているとの声が上がっている。試合時間短縮を狙って昨季から導入されたが、今季は走者がいる場面での投球が18秒に制限され、昨季の20秒からさらに「スピードアップ」。昨年9月に右肘を手術し、投手復帰は来季になる見込みのドジャースの大谷は「間違いなく負担は増えている」と訴える。
今季はこれまでにストライダー(ブレーブス)やコール(ヤンキース)、ビーバー(ガーディアンズ)といった各チームのエース級のけがが続出。大リーグ選手会は「(投球後の)回復の時間が減り、体に影響する懸念は強まった」と指摘している。
投手のけがが目立つ背景について、昨季まで大リーグ通算257勝を誇るアストロズのバーランダーは投球スタイルの変化にも一因があるとの見解を米メディアに示した。自身の場合、「2016年ごろから球が飛ぶようになり、より空振りを求める投球に変えた」。できるだけ強く投げ、スピンを加えようとする投球は腕への負担を増す可能性があるが、「この傾向はパンデミックのようだ」と大リーグ全体に広がっていると警鐘を鳴らした。
近年の大リーグの投手は、データ分析の進歩によるスイング改良で本塁打を量産する打者との対峙(たいじ)を迫られる。大谷は「ベストの球を投げ続けなければいけない。軽く投げていくシチュエーションは先発投手でもなかなか少ない」と述べ、短い間隔で全力投球を続けるリスクを懸念した。
[時事通信社]
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