3補選、立民代表も天王山=優勢報道も緩み警戒
衆院3補欠選挙の勝敗は、立憲民主党の泉健太代表にとっても9月の代表任期満了を控え、結果が問われる「天王山」になりそうだ。党内では、泉氏の指導力への不満がくすぶり、「続投には全勝が必要」との声もある。自民党の派閥裏金事件で追い風を受け、3選挙区で立民優勢と報じられる中、泉氏は陣営の引き締めに努める方針だ。
「ぜひ、この三つの補選の勝利に向け、皆で一丸となって頑張りたい」。泉氏は23日の党会合で、3補選全てで勝利を目指す考えを強調した。
2021年11月の代表就任以降、泉氏は公認候補を擁立した衆参両院補選で勝利を得られていない。政党支持率も伸びず、党内には「泉氏では衆院選を戦えない」(同党関係者)との声が少なくない。
こうした中、今回の3補選は泉氏にとって代表選に向けて成果をアピールできる機会になる可能性がある。報道各社の情勢調査では、立民候補がいずれも優勢に戦いを進めていると報じられたためだ。
ただ、立民内では優勢は裏金事件による「敵失」が大きな要因との見方が大勢。今回の補選で唯一の与野党対決である島根1区は保守地盤であることなどを踏まえ、立民執行部は「油断すれば逆転される」と陣営の緩みを警戒する。
立民が補選で全勝したとしても、代表選の行方は見通せない。21年4月の衆参補欠・再選挙で立民は勝利したが、その後の衆院選では新たに就任したばかりの岸田文雄首相が率いる自民に敗北。上げ潮ムードが一変し苦杯をなめさせられた記憶は新しい。
こうしたことから、立民内からは「自民が党の顔を代えるならば、われわれも代表選で代えないといけない」(関係者)との声が漏れる。
[時事通信社]
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