米国務長官、24日訪中=習政権は台湾問題でけん制
【北京時事】ブリンケン米国務長官が24~26日の日程で中国を訪問し、王毅共産党政治局員兼外相と会談する。台湾海峡や南シナ海を巡り緊張が続く中、意思疎通を継続することで対立を管理し、不測の軍事衝突を防ぐ狙いだ。ブリンケン氏は習近平国家主席とも会う可能性がある。
ブリンケン氏の訪中は昨年6月以来で、米国務省によると、上海と北京を訪れる。王氏との会談では、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢も議題になる見通し。米国は、中国が軍事転用可能な製品をロシアに提供し、対ロ制裁の抜け穴になっているとして警戒感を強めており、会談で対処を求めるとみられる。
一方、中国側は、日米とフィリピンの防衛協力強化を「アジア太平洋版NATO(北大西洋条約機構)」(官製メディア)構築の試みだと批判し、神経をとがらせている。
中国外務省は23日、メディアを通じて習政権の立場を発表。米中対話の進展を「歓迎する」としつつ、米国が同盟国と共に「反中国サークル」を形成していると非難した。さらに、台湾問題は「越えてはならないレッドラインだ」と強調し、米台接近をけん制。ロシアとの協力についても「中ロの正常な国家関係を中傷すべきではない」と主張した。
ウクライナ情勢を巡っては、同国のゼレンスキー大統領が提唱する和平案の推進を目的に6月にスイスで多国間会議が開かれる予定だ。参加を拒否するロシアに代わり、同国と緊密な関係を維持する中国の出席がカギとなる。
中国は態度を明らかにしておらず、ロシアへの影響力行使を求めるバイデン米政権に対し、参加の見返りに米国による対中関税や半導体規制の見直しといった譲歩を要求する可能性がある。
[時事通信社]
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