公取委、巨大IT企業への監視強化=アプリ市場規制で法案提出も
デジタル広告配信で米グーグルに初の行政処分を出した公正取引委員会は、「ビッグテック」と呼ばれる巨大IT企業への監視を強化している。政府は同社や米アップルを念頭に、スマートフォンアプリなどの寡占を防ぐための新法案を今国会に提出する方針で、公取委はデジタル分野で圧倒的優位に立つ巨大企業をけん制し、公正な競争環境の確保を目指す。
「スマートフォンの利用に必要な基本ソフト(OS)やアプリストアなどが、少数の有力な事業者による寡占状態になっている」。新法案を所管する公取委の藤本哲也事務総長は17日の定例記者会見で現在のアプリ市場の問題点を指摘した。
新法案では、アプリストアなどへの新規参入排除を禁止することなどを規定。事業展開が素早いデジタル分野の特性を踏まえ、禁止事項をあらかじめ明示する「事前規制」を盛り込む。
こうした行為は独禁法では「排除型私的独占」に当たり、違反分野の国内売上高の6%が課徴金として科される。新法案では課徴金額を20%に引き上げ、改善されなければ30%に増額される。公取委は「このくらいの課徴金にしないと実効性がない」(担当者)としている。
デジタル広告配信を巡る取引制限については、改善計画認定により一連の調査は終了した。しかし、公取委はグーグルが自社の検索サービスなどを優遇するよう求めた疑いがあるとして、独禁法違反容疑での審査を継続。デジタル分野での問題行為に対し、引き続き目を光らせる方針だ。
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