G7、中東の緊張回避を要求=ウクライナ防空強化―外相会合閉幕
【カプリ(イタリア)時事】日米欧など先進7カ国(G7)外相会合は19日、イタリア・カプリ島で3日間に及んだ議論を総括する声明を採択し、閉幕した。直接攻撃の応酬があったイランとイスラエルに対し、中東地域で「これ以上の緊張拡大を防ぐ」よう要求。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援では防空能力の強化を約束した。
外相会合は声明で、イスラエルに大規模攻撃を仕掛けたイランを強く非難。イスラエルが19日に反撃したとの報道も踏まえ、「全ての当事者」に緊張回避を訴えた。
G7は、イスラエルの報復により、パレスチナ自治区ガザだけでなく中東一帯を巻き込んだ戦闘に発展する事態を懸念。キャメロン英外相とドイツのベーアボック外相が会合直前にイスラエルを訪れ、ネタニヤフ首相に自制を促した。結果的にイスラエルの反撃は限定的で、イランも冷静な反応に努めており、G7は面目を保つ形となった。
イランに対する制裁は米英が18日に発表し、欧州連合(EU)も足並みをそろえる方針だ。外相声明は、地域の不安定化を図る行為には「追加制裁を科す用意がある」と改めて警告した。
会合には日本から上川陽子外相が出席。上川氏は会見で「重要なことは事態のさらなる悪化を防ぐためにあらゆる努力を行っていくことだ」と指摘し、「各国と緊密に連携し、必要な外交努力を尽くしていきたい」と述べた。
一方、外相声明はガザで戦闘を続けるイスラム組織ハマスとイスラエルに対し、安全な人道支援の実施を実現するため、ハマスが拘束した人質の即時解放と、持続的な停戦を呼び掛けた。
ウクライナ支援では、ロシアの空爆を迎え撃つ防空装備の強化で「人命を救い、(電力などの)重要インフラを守る」と表明した。最大の後ろ盾である米国からの支援が滞り、防空能力の低下が顕著なウクライナは、一刻も早い対応を求めていた。
[時事通信社]
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