バレー男子・ブラン監督「メダルへ集中」=目指す52年ぶり―結束する最強チーム・五輪100日前「パリが迫る」(3)
バレーボールの男子日本代表はパリ五輪で52年ぶりのメダルを目指す。「史上最強」の呼び声も高いチームを率いる開催国フランス出身のフィリップ・ブラン監督(63)は単独インタビューに応じ、「準備期間は長くないが、五輪メダルを取るという新たな目標に集中する」と力強く語った。
ブラン氏は2017年からコーチとして当時の中垣内祐一監督を支え、21年東京五輪は29年ぶりの8強入り。22年に監督へ昇格し、昨年はネーションズリーグで史上最高の3位、五輪予選では開催国枠以外で16年ぶりの切符獲得へ導いた。世界ランキングはポーランド、米国、イタリアに続く4位まで上がった。
日本が低迷期にあった来日当初は指導が一方通行になりがちで、選手たちの考えが分からず苦労した。「互いを理解するためには、議論が必要だ」。ビデオを活用しながらミーティングを重ねたり、英語で積極的にコミュニケーションを図ったりして信頼を得てきた。
慣習も打破した。「日本人はかなりの長時間練習をする傾向があり、試合のスピードから程遠くなることも」。強度や質の高い練習を短時間に凝縮し、効率を上げた。
強力なサーブ、多彩なスパイク、ブロックとの連動で粘り強さを増した守備など、日本はあらゆる面で成長を遂げた。それでも最大の強みは「チームになっていること」。激戦を通じて培ってきた結束力が「素晴らしい結果を残すためにはとても重要だ」と指摘する。
母国フランスは東京五輪で1次リーグ2勝3敗の4位と薄氷の通過から金メダルに輝いた。あの巻き返しを引き合いに「序盤で困難に直面しても、メダルを取れないということにはならない」と強調する。日本もパリ五輪予選では第2戦でまさかの黒星を喫したが、見事に立て直してみせた。
東京五輪後はほぼ同じ先発メンバーで主要国際大会を戦ってきた。主将の石川祐希(ミラノ)を中心に成熟したチームを引き連れ、夢舞台に乗り込む。「母国での五輪に参加できるのは素晴らしいことだが、パリでの私はフランス人ではなく日本人だ」。特別な感情を排し、日本バレーの歴史を塗り替える覚悟だ。
◇ブラン監督の略歴
フィリップ・ブラン フランス代表で86年世界選手権MVP、監督では02年世界選手権3位。ポーランド代表コーチで14年世界選手権優勝。17年に日本代表コーチに就任し、21年東京五輪8強。22年から監督。63歳。仏モンペリエ出身。
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