関西経済引き上げる=技術をレガシーに―松本関経連会長・大阪万博1年前
日本国際博覧会協会副会長を務める関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は13日までにインタビューに応じ、2025年大阪・関西万博を契機とした関西経済の成長実現に意欲を示した。万博で披露される新技術を「レガシー(遺産)として活用」することで、国内総生産(GDP)に占める関西の経済規模を、現在の5%程度から20%に引き上げたい考えだ。
松本氏は万博を成功させるには、期間中の盛り上がりに加え、「披露された技術やアイデアの完成度を高め経済成長につなげることが必要だ」と強調した。大きな盛り上がりを見せた1970年の大阪万博だが、その後の関西経済は東京一極集中のあおりなどを受けて低迷が続いている。
前回の万博では携帯電話や電気自動車など、現在は巨大産業に発展した技術の種も披露されたが、松本氏は「国内企業は当時の技術を生かせず、アップルなど海外企業に全て敗北した」と悔しさをにじませた。関西には観光や医療といった強みを持つ産業がある。松本氏は「関西企業に合った技術も必要だ」と述べ、万博のレガシーとなる技術を掛け合わせることで関西産業に新たな成長機会をもたらす効果に期待を示した。
そのためには「国の財政支援も必要だ」と強調。技術の実用化に向けて企業や業界団体に加えて、国や有識者が参加する新たな組織を立ち上げ、実証作業などを進めるべきだとの考えを示した。
また、巨額の建設費が批判されている木造の大屋根(リング)を巡り、分解してベンチなどに活用する案が出ていることについては「レガシーにはならない」と指摘。「今の時代、将来に残すべきは前回万博の『太陽の塔』のような建造物ではなく、豊かな社会だ」とも訴えた。
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