USスチール買収、拭えぬ不透明感=日米首脳、具体的言及せず
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収に、不透明感が拭えない。日米首脳による米国時間10日の記者会見で、バイデン米大統領は、買収に反対する全米鉄鋼労組(USW)に寄り添う姿勢を示す一方、日米同盟の重要性も強調した。日本側に一定の配慮を示した形だ。
バイデン氏は「労働者への約束を守り、(日米の)同盟関係にもコミットする」と語った。岸田文雄首相も「法に基づき、適正に手続きが進められると考えている」と述べるにとどめ、両者とも具体的な言及は避けた。
日鉄は首脳会見を受け、「強い決意でプロセスを完遂し、両国にとってウィンウィンの関係となる買収を完了させる」とのコメントを発表。引き続き、USWや当局との対話を進める。
USスチールは12日に臨時株主総会を開き、日鉄による買収案を諮るなど手続きは進む。ただ、11月の米大統領選を控え、買収は政治問題化しており、その完了が見通せないのが実情だ。
買収を巡っては、米政府の対米外国投資委員会(CFIUS)による安全保障審査のほか、司法省による反トラスト法(独禁法)に基づく調査も始まったとされる。調査が長引けば、日鉄が目指す9月までの買収完了は後ずれを余儀なくされる。
日米関係に詳しいオウルズコンサルティンググループの羽生田慶介代表は、「政治的圧力によってビジネスリスクを生むのは、バイデン氏のやり方ではない」と指摘。「大統領選を控え、トランプ前大統領との比較で話題になりたくなかったため、今回のような言いぶりになったのではないか」と分析している。
[時事通信社]
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