防衛協力拡大、強固な同盟訴え=岸田首相、8日国賓訪米
岸田文雄首相は8日、国賓待遇で米国を訪問する。10日にバイデン大統領と会談し、防衛協力の拡大を含む安全保障、経済など幅広い分野の関係強化で一致。11日は米議会で演説し、強固な日米同盟の意義を訴える。14日に帰国する。
日本の首相が国賓待遇で訪米するのは2015年の安倍晋三氏以来9年ぶり。首相は5日の政府・与党連絡会議で「強固な日米同盟を世界に示す大変有意義な機会になる」と意欲を示した。
首脳会談は首都ワシントンで開催。日米両国を「グローバル・パートナー」と位置付け、自由で開かれた国際秩序の維持・強化に向けた連携を確認する。
安保面では、自衛隊と在日米軍の指揮統制の在り方を見直す方針で一致。防衛装備品の共同開発・生産体制強化を申し合わせる。経済面では、人工知能(AI)や半導体など先端技術分野の競争力強化や、サプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化を打ち出す。
会談後、こうした内容を盛り込んだ共同声明と、詳細な協力案件を列記した関連文書を発出する。
米上下両院合同会議での演説は、中国やロシアの覇権主義的な動きを見据え、日米同盟を基軸に同志国と国際秩序の維持に貢献する姿勢を示す。11月の米大統領選も意識し、日本との関係強化の重要性を民主、共和両党にアピールする考えだ。
首相とバイデン氏は、フィリピンのマルコス大統領も交えた初の日米比首脳会談にも臨む。中国を念頭に防衛協力の推進で一致。経済安保分野の協力も議題となる見通しだ。
首相はその後、米南部ノースカロライナ州に移動。12日にトヨタ自動車とホンダの現地工場を視察する。
[時事通信社]
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