製造業景況感、4期ぶり悪化=車生産停止、関連業種に影響―非製造業は改善続く・3月日銀短観
日銀が1日発表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は大企業製造業でプラス11と、昨年12月の前回調査のプラス13から2ポイント悪化した。悪化は4四半期ぶり。ダイハツ工業などの認証不正で自動車の生産・出荷が停止し、関連業種で広く景況感が悪化した。一方、大企業非製造業は2ポイント改善のプラス34と、1991年8月調査以来、32年7カ月ぶりの高水準。訪日外国人の消費がけん引し、8期連続で改善した。先行きは大企業製造業がプラス10、非製造業はプラス27と悪化を見込む。
DIは、業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」を引いて算出した。日銀は今回から調査対象企業を見直した新基準を適用し、比較のために再集計した前回調査の指数を参考数値として公表した。調査期間は2月27日から3月29日。
大企業製造業は16業種のうち、7業種で悪化した。自動車はプラス13と前回のプラス28から大幅悪化。生産減少により、鉄鋼や非鉄金属、業務用機械などのDIも低下した。
大企業非製造業は12業種のうち、6業種で改善。コロナ禍後の人出回復もあり、運輸・郵便がプラス24(前回プラス16)、対個人サービスがプラス33(同プラス28)にそれぞれ改善した。
人手の過不足を示す雇用人員判断DIは全規模全産業でマイナス36。91年11月調査以来、32年4カ月ぶりのマイナス幅で、人手不足の深刻さを浮き彫りにした。
全規模全産業の2024年度想定為替レートは1ドル=141円42銭。24年度の大企業全産業の設備投資計画は前年度比4.0%増加を見込む。
◇3月日銀短観の主な指標
23年12月 24年3月 6月予想
▽業況判断指数
(DI、「良い」―「悪い」)
大企業製造業 13 11 10
大企業非製造業 32 34 27
中小企業製造業 2 ▲ 1 0
中小企業非製造業 14 13 8
▽販売価格判断指数
(DI、「上昇」―「下落」)
大企業製造業 27 25 24
大企業非製造業 25 27 28
▽仕入価格判断指数
(DI、「上昇」―「下落」)
大企業製造業 41 42 41
大企業非製造業 40 43 42
▽雇用人員判断指数
(DI、「過剰」―「不足」)
大企業製造業 ▲16 ▲17 ▲18
大企業非製造業 ▲37 ▲37 ▲37
▽24年度設備投資計画(土地含む、前年度比増減率%)
大企業製造業 ― 8.5 ―
大企業非製造業 ― 1.5 ―
▽全規模全産業の24年度想定為替レート(3月)
1ドル=141円42銭
(注)▲はマイナス、―は数値なし。12月は新基準で再集計
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