商業捕鯨、自立へ視界不良=新母船が竣工―山口・下関
共同船舶の新たな捕鯨母船「関鯨丸」が竣工(しゅんこう)し、29日に山口県下関市で式典が開かれた。日本が国際捕鯨委員会(IWC)を脱退し、2019年に領海と排他的経済水域(EEZ)で商業捕鯨を再開してから今年7月で5年を迎えるが、国内の鯨肉消費は低迷したまま。水産庁は、捕獲可能な種類を追加する方針だが、採算性が前提となる商業捕鯨の自立に向けては、依然として視界不良だ。
鯨肉の国内消費は1962年度の約23万トンをピークに年々減少。88年に商業捕鯨をいったん中断する前年に1万トンを割り込み、再開後も約2000トンで推移している。政府は捕鯨対策に年間51億円を予算計上し、科学調査のほか、鯨肉の普及促進支援などを実施しているが、消費拡大は見通せない。
共同船舶の所英樹社長は、竣工式の記者会見で「最終的には5500トンの市場を目指す。数年かければそこまでいける」と力を込めた。同社は22年度、商業捕鯨を再開してから初めて黒字化に成功。ただ、今後は関鯨丸の建造費約75億円の減価償却が重荷となる。
北海道網走市、宮城県石巻市、千葉県南房総市、和歌山県太地町をそれぞれ拠点に近海で捕鯨を行う4団体も、経営改善に至っていないという。捕獲対象のミンククジラが不漁に見舞われ、苦境が続く。
水産庁は、ミンククジラなど3種類の大型鯨類について、資源保護と持続可能な利用の両立のために漁獲可能量(TAC)を設定。このうちニタリクジラとイワシクジラは上限まで捕獲されており、年内に審議会で4種類目のTACを新設する。同庁捕鯨室は「事業者の選択肢を増やし、経営の自由度を高めたい」と説明している。
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