北朝鮮パネル延長を否決=ロシア拒否権、存続危機―国連安保理
【ニューヨーク時事】国連安全保障理事会は28日午前(日本時間同日夜)、対北朝鮮制裁決議の履行状況を調べる専門家パネル(定員8人)について、任期を来年4月まで1年間延長する決議案を否決した。北朝鮮との軍事協力を深めるロシアが拒否権を行使した。日米など13カ国が賛成。中国は棄権した。
任期切れとなる今年4月末までに新たな決議が採択されなければ、パネルは廃止される。パネルは北朝鮮に関する情報を集め、制裁違反が疑われる事例を調査する「監視部隊」。年2回まとめられる報告書に基づき、安保理や加盟国が違反した個人や団体に新たな制裁を科すことがある。廃止されれば制裁逃れが増加し、北朝鮮による核・ミサイル開発の加速につながる恐れがある。
安保理筋によると、ロシアは任期延長を認める代わりに制裁の緩和を要求。22日の予定だった採決を延期して説得が行われたが、交渉は難航していた。パネルは現在、ロ朝間の武器取引疑惑を調査中。同筋は「ロシアがこの問題を調べられたくないのは明らかだ」と指摘し、拒否権行使の可能性が高いとの見方を示していた。
[時事通信社]
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