「48時間ルール守られず」=4歳女児虐待死で報告書―奈良
奈良県橿原市で昨年6月、4歳だった女児が母親の交際相手に暴行され死亡したとされる事件で、県と市が共同設置した第三者委員会は28日、「(行政の)対応が極めて不十分だった」などとする検証報告書を公表した。虐待の通報から48時間以内に安否確認をする「48時間ルール」が守られていなかったという。
報告書などによると、市は昨年5月に医療機関から虐待の疑いに関する通報を受けたが、交際相手への聞き取りなどをせず、県は連絡を受けても即座に会議を開催しなかった。第三者委は「虐待が強く疑われるケース。調査は慎重に行うべきであった」と指摘した。
報告書を受け取った亀田忠彦市長は「責任の重さを痛感している。改善を進めたい」などと語った。山下真県知事は「大変厳しい指摘を受けた。二度と繰り返さないため、提言を生かしたい」と話した。
提出後、記者会見した第三者委の西田尚造座長は「十分な人員配置など組織の抜本的な改革を進めてほしい」と述べた。
事件では、女児に対し、十二指腸に穴が開くほどの暴行を加え死亡させたとして、傷害致死などの罪で母親の交際相手、山下翔也被告(27)が起訴されている。
[時事通信社]
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