2024-03-28 10:12社会

児童虐待通告、初の12万人超=昨年、検挙も最多2385件―警察庁

警察が児相に通告した児童数と被害者数
警察が児相に通告した児童数と被害者数

 全国の警察が昨年、虐待の疑いで児童相談所に通告した18歳未満の子どもの数が前年比6.1%増の12万2806人に上り、初めて12万人を超えたことが28日、警察庁のまとめで分かった。検挙事件数は前年比9.4%増の2385件、事件での被害者は同201人増の2415人と、いずれも過去最多を更新した。
 通告のうち、73.9%(9万761人)は心理的虐待が疑われ、うち6割は子どもの目の前でDV(家庭内暴力)が行われる「面前DV」だった。DVの現場に駆け付けた警察官が、子どもがいた場合に通告するケースが多かった。傷害など身体的虐待での通告は2万1520人だった。
 検挙事件は、身体的虐待が1903件で8割を占めた。不同意わいせつなど性的虐待は372件、ネグレクト(育児放棄)は45件だった。
 一方、心理的虐待は65件と全体の2.7%にとどまった。凶器を示して脅すなど暴力行為等処罰法違反が7割超で、長時間外に立たせたり正座させたりする強要もあった。面前DVの検挙はなかった。
 被害者のうち、無理心中や出生直後を含む死亡者数は過去最少の28人。警察庁は「関係機関の連携などで一定の効果が表れた」としている。
 加害者は、実父が最多の1068人で、実母が650人、養父・継父が390人だった。 

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