トランプ氏、聖書を販売 「米国に神の祝福を」
【ワシントンAFP=時事】米国のドナルド・トランプ前大統領(77)がイースター(復活祭)の休暇を前に、聖書の特別版を販売している。≪写真は、ワシントンのラファイエット・パーク向かいにある教会の前で聖書を掲げるドナルド・トランプ大統領〈肩書は当時〉≫
11月の大統領選で共和党の候補者指名を確実にしたトランプ氏は、聖書を「愛読書」と呼んで支持者に購入を勧め、「アメリカを再び祈りの国に」と呼び掛けている。
トランプ氏が売り出した聖書は、合衆国憲法と独立宣言が追加された特別版。表紙には型押しした星条旗が施されており、価格は59.99ドル(約9100円)となっている。
この聖書は、トランプ氏の集会で必ず流れる「God Bless the USA」を歌っているカントリー歌手、リー・グリーンウッド氏とのコラボレーション企画だという。
トランプ氏は保守的なキリスト教福音派の信者だが、歴代の米国大統領とは異なり、公的な政治行事以外ではほとんど教会に行くことがない。
だが26日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル(Truth Social)」に投稿した3分間の動画で、米国「建国の父たちの文書」が付いた大判の欽定(きんてい)訳聖書を宣伝。
支持者らに向けて「キリスト教徒は包囲されている」「宗教とキリスト教は、この国から失われている最大のものだ。神を支持するコンテンツを守ろう。われわれは神を愛している」と呼び掛けた。
さらに「すべての米国人は家庭に聖書を置く必要がある。私はたくさん持っている。聖書は私の愛読書だ」とたたみかけると、自らの選挙スローガン「アメリカを再び偉大に」をもじり、「アメリカを再び祈りの国に」とうたった。
この聖書を販売しているサイトによると、聖書販売の収益はトランプ陣営の資金源にはならないとされるが、トランプ氏の肖像は、有料パートナーシップの一環として利用されているとみられる。
この動画が投稿された日、トゥルース・ソーシャルの運営企業であるトランプ・メディア・アンド・テクノロジー・グループは米ナスダック市場に上場。初日から急騰した。
トランプ氏は、資産額や不動産価値を偽って銀行から借り入れたり保険をかけたりする際に不正利益を得たとして利益の返還を命じられた裁判で、巨額の保証金の支払いに苦慮している。
トランプ氏と大統領選で対戦するジョー・バイデン大統領はカトリック信者として日常的に礼拝に参加しているが、保守的なキリスト教徒の間ではトランプ氏の方が人気が高い。【翻訳編集AFPBBNews】
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