2024-03-26 17:02政治

3年以内に再構築方針作成へ=芸備線存廃議論スタート―全国初の協議会・国交省

JR西日本の芸備線
JR西日本の芸備線

 国土交通省は26日、岡山、広島両県を走るJR芸備線一部区間の存廃を含めた再編方針を議論する「再構築協議会」の初会合を広島市内で開いた。協議会の開催は全国で初めて。今後3年以内を目安に、存続やバス転換などの方針を決めることを確認した。
 議長を務めた国交省の益田浩中国運輸局長は「芸備線の利用は大変厳しいと認識している。廃止ありき、存続ありきという前提を置くことなく具体的なファクトとデータに基づき議論を進めていく」とあいさつした。JR西日本の広岡研二広島支社長は「大量輸送という観点で(芸備線は)鉄道の特性が発揮できていない。地域と利用者の視点に立って議論していきたい」と語った。
 一方、岡山県の上坊勝則副知事は「地域にとっては必要不可欠な鉄道で、JRは引き続き当該区間の運行を担ってほしい」と路線の維持を求めた。広島県の玉井優子副知事は、業績が好調であることを引き合いに「なぜ(JR西で)維持できないのか説明するよう改めてお願いする」と注文した。
 再編議論は、採算が悪化しているローカル線の中でも特に利用者数が少ない芸備線の備中神代(岡山県新見市)―備後庄原(広島県庄原市)間が主な対象。初会合では、中国運輸局や岡山、広島両県、新見、庄原、広島、三次各市、JR西などを構成員とする規約が制定された。
 次回の協議会は今秋をめどに開く予定。これに先立ち、より実務的な議論を行う下部組織の「幹事会」を5月中旬までに開催したい考えだ。 
 再構築協議会は昨年10月施行の改正地域公共交通活性化再生法で創設された。利用が低迷する路線の再編について、国の関与の下で自治体と鉄道会社が話し合う。芸備線を巡っては、JR西が同10月、協議会設置を国に要請。今年1月に設置が決まった。

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