「この日待っていた」=和倉温泉「総湯」が再開―共同浴場、時短で営業・石川県七尾市
能登半島地震による断水の影響で臨時休業が続いていた石川県七尾市の入浴施設「和倉温泉総湯」が26日、時間を短縮して営業を再開した。和倉温泉街では宿泊施設の休業が続いており、温泉の再開は初めて。
和倉温泉は1200年の歴史がある古い天然温泉で、共同浴場の「総湯」は1899年に始まった。2011年にリニューアルされ、サウナや露天風呂、足湯などを備えるが、元日の地震で配管が損壊。源泉のくみ上げは約2週間後に可能になったものの、断水が続き、湯の温度調整ができない状況が続いていた。今月16日に断水が解消し、ようやく再開にこぎ着けた。
午前10時の再開直後から、地元の住民らが続々と訪れた。昨年まで毎朝通っていたという三室郁夫さん(69)は「地元で温泉に入れるのは最高だ」と笑顔を見せた。山口清さん(66)も「昨年まで一日置きに入りに来ていたので、首を長くしてこの日を待っていた」と話した。
漁師の中西金勝さん(82)は湯上がり後、「以前よりちょっとぬるかったけど、気持ち良かった。日常の一部が帰ってきた」と満足げ。中西さんの妻(80)は「すっきりした。あせもにも傷にもよく効くので、私たちにとってなくてはならない浴場だね」と語った。
[時事通信社]
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