2024-03-23 11:24政治

防衛力強化で「有事を抑止」=岸田首相、防大卒業式で訓示

 岸田文雄首相は23日、防衛大学校(神奈川県横須賀市)の卒業式で訓示し、軍事的に台頭する中国などを念頭に「わが国周辺で力による一方的な現状変更の圧力が高まっている」と危機感を示した。「重要な目標は、有事の発生を抑止することにある」と述べ、防衛力の抜本的強化に向けた決意を強調した。
 首相は、ロシアのウクライナ侵攻に伴う国際秩序の動揺に触れ、「歴史的なパワーバランスの変化が生じている」とし、「わが国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境のただ中にある」との認識を示した。
 防衛力強化は装備品の調達だけで達成できるものではないとし、卒業生に対し「諸君の努力が不可欠であり、諸君の存在そのものが抑止力となることを忘れないでほしい」と呼び掛けた。度重なる幹部自衛官のパワハラなどを踏まえ、「国民に期待され、信頼される自衛官にふさわしい高い規律」も求めた。
 留学生を除く本科の卒業生は383人で、このうち女性は44人。自衛官への任官を辞退した学生は35人で前年より11人少なかった。身体的理由で任官しなかった人も1人いた。 
[時事通信社]

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