パリ五輪公式ポスター、保守・右派から「ウォーキズム」と批判
【パリAFP=時事】4日に発表されたパリ五輪・パラリンピックの公式ポスターに対して、「ウォーキズム(社会問題に高い意識を持つよう呼び掛ける主張)」だとして、保守派や極右派の政治家が不満を示している。≪写真は2024年パリ五輪・パラリンピックの公式ポスター≫
今回発表された五輪ポスターは、イラストレーターのウーゴ・ガットーニ氏がパリ市街をアニメ風に描いたもので、エッフェル塔をはじめとする主要な名所だけでなく、五輪・パラリンピックが行われる54会場などが細かく描き込まれている。
しかし一部の政治家は、十字架やフランス国旗がないことに憤慨。特に、市中央にある歴史的建造物で、ナポレオン・ボナパルトも埋葬されているアンヴァリッド廃兵院の上に十字架がないことが不満の種となっている。
保守系野党・共和党のフランソワグザビエ・ベラミー氏は、自身のX(旧ツイッター)に、制作者は「フランスを否定し、現実をゆがめて歴史をなかったことにしようとさえしている」と投稿。極右政党・国民連合(RN)のニコラ・メゾネ氏は、十字架を描かなかったのは極右が問題視する「ウォーキズム」によるものだとつづった。
これに対して、文化論争に巻き込まれたガットーニ氏は、「頭に浮かんだ姿の」建物を描いただけで、隠れた意図があったわけではないと話し、「オリジナルを正確に写し取ることが狙いではなく、パッと見たときの分かりやすさ、シュールレアリスム的なお祭りムードの世界に建物を配置することを目指した」と述べた。
パリ五輪組織委員会も、ポスターは「生まれ変わったスタジアムシティーを楽しく解釈したもの」で、フランス国旗を描く義務はないと主張。サーフィンの波は「マルセイユ沖のもの、エッフェル塔はピンクで、メトロ(地下鉄)は凱旋(がいせん)門の間を通っているが、いずれも政治的な意図で解釈したものではない」としている。【翻訳編集AFPBBNews】
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