2024-03-05 05:02社会

茶色と白のパンダ、原因解明=毛の色素遺伝子が一部欠損―中国

中国陝西省の秦嶺山脈で2009年に発見され、保護された茶色と白のジャイアントパンダ(雄)。黒い毛が茶色くなった原因の遺伝子が解明された(中国南方海洋科学・工学広東省実験室提供)
中国陝西省の秦嶺山脈で2009年に発見され、保護された茶色と白のジャイアントパンダ(雄)。黒い毛が茶色くなった原因の遺伝子が解明された(中国南方海洋科学・工学広東省実験室提供)

 中国陝西省の秦嶺山脈にごく少数生息する体毛が茶色と白の珍しいジャイアントパンダについて、本来は黒い毛が茶色くなった原因の遺伝子が解明された。中国科学院動物研究所などの研究チームが網羅的な遺伝子解析を行った成果で、論文は5日以降に米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
 茶と白のパンダは1985年に初めて発見され、その後動物園で飼育された。性別は雌で、通常の黒と白のパンダとの交配により黒と白の子を産んだ後、2000年に死んだ。秦嶺山脈では09年にも茶と白の雄の子が見つかって保護されており、これらや近縁とみられる個体からDNAを採取して遺伝子を解析した。
 原因遺伝子「Bace2」は毛の色に関与し、父親由来と母親由来の染色体にそれぞれ存在するが、茶色と白のパンダでは両方の染色体とも遺伝子の一部が欠損していることが判明。茶色い毛は黒い毛に比べ、メラニン色素が入った袋状の細胞小器官「メラノソーム」のサイズが半分程度に小さくなり、数も2割少ないことが分かった。 
[時事通信社]

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