2024-03-03 15:17経済

株価不振に危機感=買い支えも懸念根強く―中国

上海総合指数の推移
上海総合指数の推移

 【北京時事】米国株や日本株が過去最高値を連日更新する中、中国株の不振が際立っている。政府系ファンドの買い支えなどで直近では盛り返しているものの、景気は冷え込んだままで、市場では再び下落基調に転じるとの懸念も根強い。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の開幕を5日に控え、中国政府も危機感を強めている。
 中国の代表的な株価指数である上海総合指数は今年に入ってから景気の先行き不安を受けて軟調に推移し、2月5日には年初来で9.2%安の2702.19と、約5年ぶりの安値を記録。SNSには「米国に助けてほしい」との書き込みも見られた。
 中国政府は1月下旬以降、空売り規制の強化や株式市場を監督する証券監督管理委員会のトップ更迭といった「荒療治」を展開。相場は上昇に転じた。
 最近も金融取引の監視強化などを表明。報道によると、政府系ファンドによる市場介入は年明け以降で総額4100億元(約8兆6000億円)を超えた。
 こうした措置が奏功し、上海総合指数は3月1日に3027.02まで回復。ただ、依然として1年前の水準を8%以上も下回っている。
 市場では、政府の下支えを踏まえて「短期的には買い」との楽観的な見方が広がる。だが、中国の景気は不動産不況を背景に冷え込みが続いており、デフレ懸念もくすぶる。「株価の底上げには不動産市場のてこ入れなど抜本的な景気対策が不可欠だ」(台湾の経済学者)といった声が上がっている。 

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