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2024-02-27 15:24

桐島容疑者と断定、書類送検＝ＤＮＡ型鑑定、供述に矛盾なし―逃亡半世紀、連続企業爆破・警視庁

　１９７０年代の連続企業爆破事件に関与したとして指名手配された過激派「東アジア反日武装戦線」のメンバー、桐島聡容疑者（７０）を名乗り、その後に死亡した男について、警視庁公安部は２７日、同容疑者本人と断定し、殺人未遂と爆発物取締罰則違反の疑いで、容疑者死亡のまま書類送検した。
　公安部は同日、同容疑者の指名手配を解除した。事件の真相や半世紀近くに及ぶ逃亡生活の実態について、容疑者本人として公の場で語られることはなかった。
　公安部は桐島容疑者の複数の親族から試料の提供を受け、ＤＮＡ型鑑定を続けていた。押収品の分析結果や、生前の任意聴取の内容にも矛盾点はないと判断した。
　送検容疑は７５年４月の東京・銀座の韓国産業経済研究所爆破事件や、同２～４月の間組（現安藤ハザマ）本社爆破事件など計５事件に関与した疑い。被害総額は１５億円を超えるという。
　公安部によると、桐島容疑者は間組本社爆破事件で、爆弾の運搬を担当。同年４月の同社江戸川作業所の爆破では、自身で爆弾を設置し、社員１人が重傷を負ったとされる。
　捜査関係者によると、桐島容疑者は「内田洋」の偽名を使い、約４０年間にわたり、神奈川県藤沢市の工務店で住み込み勤務をしていた。今年１月に末期の胃がんで入院後、「最期は本名で迎えたい」と実名を告白。公安部の事情聴取にも応じたが、４日後の同月２９日に死亡した。
　聴取に対し、桐島容疑者は「事件を後悔しているのか」との捜査員の問いに「はい」と応じ、「一人で逃げていた」などと説明。韓国産業経済研究所爆破への関わりを否定する一方、間組爆破への関与をほのめかしていたという。　
　東アジア反日武装戦線は、８人が死亡した７４年８月の三菱重工業ビル爆破をはじめ、計１２件の爆破事件を起こした。一連の事件では、メンバー１０人のうち最年少の桐島容疑者を除く９人が逮捕された。
　安藤ハザマは書類送検を受け、「事件の全容解明が困難となったことは残念。長年にわたり捜査に携わられた警察ならびに関係者のみなさまに深謝申し上げる」とのコメントを出した。
　

　◇桐島容疑者関与の疑いがある爆破事件
１９７４年１２月　鹿島建設（時効）
　　７５年　２月　間組（現安藤ハザマ）本社６階（共犯者の海外逃亡で時効停止中）
　　　　　　　　　同社本社９階（同）
　　　　　　　　　同社大宮工場（同）
　　　　　　４月　韓国産業経済研究所（同）
　　　　　　　　　間組江戸川作業所（同）
　　　　　　５月　京成電鉄江戸川橋工事現場（時効）
［時事通信社］

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