ヘイリー氏、地元州で苦境=共和候補選び、第5戦―米大統領選
【ワシントン時事】米大統領選の共和党候補選び第5戦となる南部サウスカロライナ州予備選が24日、行われる。事前の調査では、指名レースで勝利を重ねるトランプ前大統領が挑戦者ヘイリー元国連大使を引き離す。同州出身で知事も務めたヘイリー氏は「地元」で惨敗すれば求心力を失い、撤退圧力がさらに強まりそうだ。
USAトゥデー紙が共和党支持層に先週実施した世論調査によると、同州でのトランプ氏の支持率は63%とヘイリー氏の35%を圧倒した。トランプ氏は、指名争いを離脱した同州選出のスコット上院議員ら有力政治家の支援を受け、余裕の選挙戦を展開。陣営はサウスカロライナでの大勝後、3月下旬までに指名獲得に必要な過半数の代議員を確保できると見込む。
敗色濃厚なヘイリー氏がこの先、勝利を期待できる州はない。だが20日の演説では、サウスカロライナで負けても「立候補を続ける」と宣言した。政治専門紙ヒルは、ヘイリー氏の二つの「計算」を紹介する。
一つは、2028年やそれ以降の大統領選に向けて存在感を示すことだ。仮にトランプ氏が共和党候補となっても、20年に続いて本選でバイデン大統領に敗北すれば「脱トランプ」路線が説得力を増す。52歳のヘイリー氏はこの先も複数回の大統領選に挑戦し得る。
もう一つは、トランプ氏の不測の事態に備えているとの見方だ。同氏は77歳と高齢な上、四つの刑事事件に直面する。米メディアによると、昨年1年間の訴訟関連費用は5560万ドル(約83億円)に達し、選挙資金を圧迫。有罪判決を受ければ、有権者の離反を招く。
ヘイリー氏はトランプ氏の復権を阻止したい富豪たちに資金面で支えられている。他候補が撤退し、一騎打ちの構図となった1月だけで1150万ドル(約17億円)もの献金が舞い込み、トランプ氏の調達した880万ドル(約13億円)を上回った。敗北を重ねても、資金が続く限りは選挙戦を継続するとみられている。
[時事通信社]
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