同性婚訴訟の控訴審始まる=一審は「違憲状態」―福岡高裁
同性同士の結婚を認めない民法などの規定は「婚姻の自由」を保障する憲法に違反するなどとして、福岡、熊本両県の同性カップル3組が国に1人100万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審第1回口頭弁論が19日、福岡高裁(岡田健裁判長)で開かれた。一審福岡地裁は、現行の民法規定を「違憲状態」と判断していた。
この日は福岡市に住む30代の男性カップルが意見陳述し、地裁判決を受けた立法の動きが見られないと指摘。「高裁には同性婚ができないのは違憲だという、これ以上先送りを許さない判決を期待する」と訴えた。
昨年6月の福岡地裁判決は「同性カップルは婚姻制度による利益を享受できず、重大な不利益を被っている」と指摘。婚姻などに関して個人の尊厳に立脚した立法を求める憲法24条2項に「違反する状態」とした。
原告側は婚姻の自由を保障した24条1項にも違反すると訴えたが、同地裁は「男女の婚姻を想定しており、同性婚を含まない」とし、賠償請求も退けていた。
同性婚を巡っては、同種訴訟が全国5地裁に起こされた。一審は札幌と名古屋が「違憲」、東京と福岡が「違憲状態」、大阪が「合憲」と判断が分かれ、各地の高裁で控訴審が続いている。
[時事通信社]
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