戦闘休止6週間を目指し交渉=ラファ侵攻、慎重な対応要請―米大統領
【ワシントン、カイロ時事】バイデン米大統領は12日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止を巡る交渉について、少なくとも6週間の休止を目指していると明らかにした。ホワイトハウスでヨルダンのアブドラ国王と会談した後、共同記者発表に臨み、語った。
バイデン氏は、ガザ最南端の都市ラファにイスラエルが本格侵攻する構えを見せていることを踏まえ、避難住民は「保護される必要がある」と強調。「信頼できる計画なしに大規模な作戦は進めるべきではない」と述べ、イスラエルに慎重な対応を求めた。
交渉に関しては「緊急で継続的な休止期間」を目的に進めていると表明。この期間に入れば、戦闘休止をより長く続くものにするための協議が可能になるとの認識を示した。バイデン氏は11日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、ラファ住民の安全確保を要請していた。
イスラエルのメディアは12日、イスラエル、米国、エジプト、カタールの代表者による戦闘休止案の協議が再開される見通しだと報じた。13日にもカイロで行われるとみられる。
ハマスは先に、人質と終身刑の受刑者を含むパレスチナ囚人約1500人の交換や、本格的な停戦に道筋を付けることなどを条件にした休止案を提示。ネタニヤフ氏は、ハマス案は「妄想だ」と拒否していた。
報道によれば、レバノンに滞在するハマス政治部門の幹部ハムダン氏は12日、イスラエル側の交渉姿勢は「合意を遠ざける障害」になっていると主張し、「人質解放に真剣ではない」と非難。交渉が再開されても、双方が歩み寄れるかは不透明だ。
一方、イスラエル軍は12日未明、ラファで大規模な空爆を伴う人質救出作戦を実施し、2人を奪還した。激しい銃撃戦も発生し、パレスチナ人少なくとも67人が死亡したと伝えられている。ガラント国防相は「さらなる作戦が行われる日は遠くない」と語り、継続する意向を示した。
[時事通信社]
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