2024-01-28 14:19社会

バッジに込めた誇りと使命感=初代は機動隊、なじみの存在も―警視庁創設150年

警視庁のバッジ
警視庁のバッジ

 首都・東京の治安を守る警視庁は1月、創設から150年を迎えた。同庁の警察官といえば、胸に光る記章(バッジ)の存在が欠かせない。一部は刑事ドラマなどでおなじみだが、約40種類もあることはあまり知られていない。胸の輝きに誇りと使命感を込め、警察官はきょうも街の安全と安心を守っている。
 同庁のバッジは所属や階級を示し、制服や私服警察官のスーツなどに着用されている。組織の一体感や士気高揚のために作られたといい、デザインや色はさまざま。要人を警護する「SP」や機動捜査隊「MIU」など、テレビドラマや映画に登場し、広く知られているものもある。
 第1号はデモ隊の警備などに当たる機動隊の金色のバッジで、桜が大きく刻印されている。1949年ごろに誕生したとみられるが、詳しい資料は残されていない。現在は機動隊バッジを左胸に、第1~9までの部隊を示す数字が書かれたバッジを右胸に着用している。
 刑事の間で「胸に着けることが誇り」と言われているのは、殺人や誘拐などの凶悪事件を扱う捜査1課のバッジ。「団結」「根性」を表すという朱色が下地に使われ、金色で「S1S」の刻印がある。「奉仕する捜査第1課員」を意味する「Search 1 Service」の頭文字を並べたものだ。階級を問わず、配属された捜査員1人に一つ配布される。
 刑事部で最初に作られ、「S」は後に「Select(選ばれし捜査員)」の思いも込められるようになった。78年6月から全課員がスーツの左胸に着用し、気概とプライドを持ち、伝統を受け継ぎながら、難事件に挑み続けている。
 ほかに、鉄道警察隊や音楽隊、サイバーセキュリティ対策本部など、さまざまな部署にバッジ計約40種類があり、職員の結束と士気高揚につながっている。
 同庁は治安情勢に応じて組織の改変を繰り返しており、そのたびに生まれたバッジも、姿を消したものもある。これからも時代の潮流に乗って進化しながら、警察官はバッジを胸に街頭に立つ。 

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